俺様彼氏の彼女役。

そして、ひと気のない屋上に連れて来られた私。




あのね、確認だけど、私こいつ嫌いだからね。



『翔さま~、好き~♡』なんて言ってる



憐れみしかもてない女子たちとは違いますから!




「なに、睨んでるんだよ。」



「当たり前でしょ!誤解されるし、連れて来られるし、なんなの。」




「だって…俺お前のこと…好きなんだ。」




「…いや、非常に申し訳ないけど、無理。」



「やっぱダメか。」




演技かよ‼︎




「ま、いいよ。どうせお前は俺のこと好きになるから」




ぇ、なんなの。その不可能に近い自意識過剰宣言。




「はいはい。どーでもいいから、早く教室行かせて?」



「無理。」




「む、無理!?無理の意味がわかんないわよ‼︎」



「ね、今授業中だからここには誰も来ないんだよ。」




「だからなんなの⁇」




「お前が泣き叫ぼうと暴れようと誰にも気づかない…」




そうしてあいつは私の唇を




指で触れる。





_________どき。





「ぇ、ちょ、え⁉︎な、なにする…っ「しー、ちょっと黙って。」





王子様スマイルで微笑んで、




私の顎をぐいっとあげて、





あいつの唇が近づいてきて…





え…キスされるの…?




なんだか怖くなって




ぎゅっと目をつぶった瞬間_______





「いちゃいちゃ禁止ー‼︎」




誰かの声が聞こえた。