「……」

「……」


長い沈黙が続く。


金髪の人の顔を間近で見ると、なにか胸がざわつく。

大きな目をぱちくりさせる懐かしい顔…。

ん?



懐かしい…?



そうだ…

私知ってる。


この目を。

この……何もかもを諦めた瞳を…。





「なぎでしょ…?」

「っ…」


私がぽつりと吐き出した名前に、その金髪の人は反応する。


やっぱり……!



「なぎ――」


「いつまで乗りかかってんだよ!重いんだよ!」


私の声を遮るように、金髪の人…いや、なぎはわざと大きな声を出して、私を突き放した。



「てめぇらもいつまで見てんだよ!目障りだからさっさと散れ!」


なぎが周りにそう一喝すると、今まで溜まっていた人だかりは綺麗に解散した。



なぎだけど……こんなだった…?