Candy House

「なあ、どうする?」

上野さんの手にある花火セットに視線を向けた安部さんが聞いた。

「俺らもう花火ではしゃぐ年頃でもねーじゃん」

続けて言った安部さんに、
「でも当たったもんは当たったしな」

上野さんは花火セットを見つめると、
「せっかくだし、やってくか?」
と、言った。

「えっ…」
と、あたし。

「おいおい、やるってここでか?

もし誰かに見つかったらどうするんだよ」

焦ったように言った安部さんに、
「全部はやらないよ、1本だけ。

それも線香花火」

上野さんは隅の方にある線香花火を指差した。