Candy House

「煮干し持ってますよ?」

あたしはジーンズのポケットからビニール袋に入った煮干しを出すと、2人に見せた。

「あいつのことだから、何か食って帰ってきそうな気がするけどな」

安部さんが笑いながら言った。

雑談をしていたあたしたち3人の前に、『四つ葉テレビ』と書いてある白い大きなワゴン車が止まった。

「おっ、きたな」

安部さんは口からタバコを離すと、シャツのポケットから携帯灰皿を出した。

そこでタバコを揉み消すと、またシャツのポケットに戻した。

ワゴン車のドアが開いたかと思ったら、そこからバタバタとカメラなど機材を持った人たちが降りてきた。

「へえ、すげーな」

感心したように見ているあたしと上野さんに、
「2人共、ここにいると邪魔だ。

隅の方に行こう」

安部さんが促してきた。