Candy House

「ノゾミちゃんが買い物行った後、ドアをたたく音がしたから何事かと思って開けたんだ。

そしたらこいつが中へ飛び込んできて、もう散々だったよ。

捕まえようとしたらあっち行くし、こっち行くし、おかげで店内はめちゃくちゃ」

安部さんはやれやれと言うように息を吐いた。

「俺なんか、思いっきりひっかかれたし」

上野さんは腕を見せた。

「うわーっ…」

ひっかき傷が生々しくて、あたしは思わず目をそらした。

「2階へ逃げたら逃げたらで大騒動だよ。

襖はひっかくし、俺らは転んで襖に穴を開けるし、またひっかかれるし」

安部さんの腕にも生々しいひっかき傷があった。