手術は終わっていて、碧は集中治療室にいる。 今は、此処にいても会える筈もない。 弥子に一旦帰ろうかとも言われたが動けなかった。 「弥子、何かあったら電話しなさい」 「パパありがとう」 そんな会話が聞こえた。 「茜ちゃん…」 弥子に肩を抱かれ待合室のシートに座った。 茜の目の前に 碧の母親が入院用の荷物を持って現れた。