目的地のレストランを通り過ぎ
海の見える小高い丘にやって来た。

「うわぁーアオ見て綺麗な海」

茜は目を輝かせて海を眺める。

「茜、これ開けてごらん」

「プレゼント?ありがとう」

包装紙に包まれた小さな箱
その箱を開けるとハートの形が象られた指輪が入っていた。

「これ…」

「貸してごらん」

俺は茜の左手の薬指に
そっと、はめてあげた。

安い指輪だが
精一杯のプレゼント。