駄菓子屋の店先のベンチに座り
ラムネを飲む。


「アオ!さっき私のこと
“アカ"って呼んでくれたよねー」

「そうだっけ?」

「呼んだよーちゃんと聞こえてたもん
私、嬉しかったよ」


“言ったけど今となっては恥ずかしいぜ"


陽が暮れるのが早くなった10月
夕方になると少し肌寒い。

「茜、帰るか」

「うん」

俺は立ち上がり手を差しのべる
茜はしっかり俺の手を握り微笑む。


「明日も20分に待ち合わせな」


茜をバス停まで送り俺は歩いて家に帰った。