何気に振り向くと、まだ倒れたまま

“チェッ"

と舌打ちをして戻ってみたが、まだ動かない。

“こいつマジか!!"

そう思って声をかけてみた。

「おい!?大丈夫か?」

その子の膝は、すりむいていて血が滲んでいた。

「大丈夫じゃない」

「だよな…ちょっと待って」

そう言ってそいつの膝にタオルを巻いてあげ
自転車を起こし
腕を支え立たせてあげた。

「乗れそうか?」

「乗れない」

「歩けるよな?」

「……ムリ」


その場にしゃがみこみ
首を横に振った。

俺も横にしゃがんで
少し考えた。
学校まで歩きだと、あと20分ほど。

「ん…どうすっかなー」


「ゴメンね…もう少ししたら行けるかも」


俺は、こんなところに怪我人を放っておくほど
そこまで冷たい人間じゃない。