電車で7駅目の所に
無料開放の動物園がある。
4人は入口に置いてあるパンフレットを貰い目を通す。
「弥子、何が見たい?」
「やっぱ猿でしょー
…健二に似てるけど」
「何か言った!?」
「キャハッ!!何でもない」
まだ暑さが残る9月の終わり。
動物たちは少し元気が無いように見える。
はしゃぎまわる健二たちに対して
茜は重い表情を見せ始めた。
「茜?顔色悪いぞ
大丈夫か?」
「ん…少し休みたい、ゴメン」
いつもの茜とは明らかに違っていて
俺は心配になり近くのベンチに座らせ
額の汗をタオルで抑えた。
弥子は売店でジュースを買ってきてくれた。
「茜ちゃんゴメンね
ここ広いから疲れちゃうよね」
「ううん大丈夫!少し休んだら復活します…ね?アオ」
「茜…」
「なぁ碧、、何か悪かったな」
「…あ、うん」
15分ほどベンチで休み茜の顔色は少し戻ってきた。
「アオ、私もう平気だよ…
弥子ちゃん健二君ゴメンね」
「ううん、茜ちゃん帰ろっか?」
「弥子ちゃん、それはダメ」
“茜!?"
「弥子ちゃんと健二君
仲直りしないと
そうしないと帰れない」
「茜ちゃん私達なら大丈夫だよ、ね?健二」
「そうだよ茜ちゃん
アリガト…だったら少し涼しい所に行こうよ
お腹空いたし何か食べよ!」
俺は茜の汗をまた拭う。
「健二サンキュ」

