最後の手段は
2組に行って呼び出すことだけ。
呼び出されることは、よくあるけど
女を呼び出すのは初めて…
いつ行くかが問題だ。
昼休みじゃ、ざわついて嫌だし

“フゥー今のうちに行くか"

自分の教室には寄らず真っ直ぐ2組の前まで来た。

廊下には何人かの男子生徒がいたから
声をかけてみた。

「藤原、呼んでもらえる?」

その男子生徒は何か言いたげな顔をしていたが
直ぐに茜を呼び出してくれた。

「茜!!誰か呼んでるぞ」


“コイツ呼び捨てにしてるし"

何故か嫌な気分になる。

「あーアオ!!」

思いの外、大きな声に
周りの女子生徒たちが
こちらを見てざわつきはじめた。

「シーッ!!声でかいから」

茜の口を軽く抑える。

「アハハごめん
朝遅かったね待ってたんだよ」

「待ってたの!?…そっかアリガト」

「アオが2組に来てくれて
ちょっと嬉しい」

「ちょっと…か」

「ううんメッチャ嬉しい」

「ん!!あのさ日曜日なんだけど空いてる?」

「うん、何で?」

「健二が…
あっ俺の友達が動物園行こって
仲直りデートらしいんだ」

茜は少し戸惑っているようにも見えた。

「動物園……か
もちろんアオも一緒だよね」

「うん」

「じゃ行くよ」

「じゃあ10時に
駄菓子屋の前な、歩いて来いよ」

「わかった」

“動物園キライだったかな "

でもこれで何とか
他の女と過ごさなくて済む。