リハビリは順調で
碧の笑顔が増えてきた。

バレンタインデーの、この日、茜は手作りチョコを持ってきた。

「碧、はいプレゼント」

「茜ちゃん、ありがとう」

「何も思い出さなくてゴメンね」

「ゆっくりで良いんだよ」

「もうすぐ退院なんだ、そしたら皆で何処かに行こうよ」

「碧、どうしても行きたい所があるんだ」

「どこ?」

「ナイショ」

「何も覚えてないのに、茜ちゃんといると、何故だか懐かしいんだ」

「アオ…」

「ね、たまにアオって呼ぶけど碧だから?」

「そうだよ私は茜だからアカ
でもね碧は、アカって2回しか呼んでないの」

「そうか…呼んだほうが良い?」

「今は、茜で良い、思い出したら呼んで」

「わかった」