抱きしめていいかな?


だめだよなぁ。



「・・服っ!」



「え?」


あぁ、上着てないからか。


「ちょっと湯上がり熱くて。最近夜もだいぶあったかいじゃん?」


桜の耳が桜色になってる。


いっつもほっぺたはピンクだけど、時々耳もピンクになってるよなぁ。


かわいいやつ。



くいっ。


桜の顔を見たくて顎を持ち上げてこっちを向かせる。




「かわいいなぁ」

まるいうるっとした瞳が驚いたように俺
を見あげる。


ピンクのほっぺた。


かわいい唇。



その唇をうばってしまいたい。



「あたし、お風呂はいってくる!梓生クリーム泡立てといて!」

そう言いながら目線をそらされてしまった。



「生クリーム?何につかうの?」



「今日買ったプリン」


「ふーん。」


そらしたままの目線。

そのふせがちなまぶたから伸びる長くて綺麗な睫。


なんかエロい。


ヤバい・・・



桜が可愛すぎて耐えられなくてコンロの方に目をやった。


だしをとってる鍋がコトコトいってる。



「こっちのだしとってるやつは?」



「味噌汁!じゃぁあたしお風呂はいってくるから」



「はーい。」


パタパタと足音をさせながら桜は風呂場の方へきえていった。