「桜、今日の夕飯どうする?」
「んー?昨日の肉じゃがまだあるしなー。焼き魚とかは?」
「いいね」
朝から夕飯の話をしつつ高校に向かう。
あたし達は自分たちでご飯を作る。
炊事洗濯は基本的に2人でする。
お父さんとお母さんは二人とも海外出張が多くてほとんど2人で住んでるような感じ。
2人とも2ヶ月くらい出張したら二週間くらいの休みがあって家に戻ってくる。
ちらっと、隣を歩く梓を見上げるとふわふわさらさらした黒髪が風に揺れている。
くるっ。
綺麗な黒い瞳があたしを向いて、形のいい唇が笑みをつくる。
それだけであたしはきゅんとして顔が熱くなる。
「どした?」
「え?」
「桜がこっち見てるからどーしたのかなと」
「え?なっなんでもないよ?」
あたしはなんだか慌ててしまい手をわたわた振りながら答えた。
不意に私は頬をなでられた。
なんかドキドキして目をきゅっと瞑ってしまう。
「桜はかわいいよなぁ」
「なっなにいっての。梓シスコンだよ」
「シスコンだけど?桜おねーちゃん」
梓はわざとらしくおねーちゃんと言った。