「桜って松原って奴のことすきだったの?」


ひやかすように言う。


そうじゃないと、俺の気持ちがバレてしまいそうで。



「えっ!?きいてたの!?」


ぎゅっんと桜の頬が赤くなる。


え?


なにその反応。


「本当に好きなんだ、そいつのこと。」


「えっ!?いや、全然すきじゃないよ!?」


茹で蛸みたいになって桜は言う。


言葉で否定してても、顔が肯定してるようにしか見えない。



「相談してくれてもいいのに。
協力してやるよ。」


思ってもない事をつい言ってしまう。


無理矢理笑みを作りながら。


つか、ヤバい・・・・


このショックはデカい。


マジで好きなのか?


「や、梓に好きな人の相談とか出来ないし!!!!協力とかいいから!ほんと!」


好きな人についてはもう否定しないのか・・・・



つか、松原ってだれだよ!


いつの間にであってたんだ?


もう全力で邪魔してやる。



「あわせろよ。その松原ってやつ。桜のこと勧めといてやるから」


とりあえず顔だけでも確認したい。



「ほんとに!?」



そう答えたのは桜ではなく、いつの間にか戻ってきていた相田。


「明日松原くん部活休みだって!カラオケ行く約束してきたから。」


は?


「松原くんの友達も1人くるって!梓くんが桜を勧めてくれるなら梓くんも一緒に行こう!」


え?


「そしたら女子もう一人いたほうがいいよね?あ、澤田さんは?さっき梓くん仲良さそうにしてたし!」


はい?


「澤田さーん」


相田は早くも澤田に声を掛け、明日のカラオケを誘っている。



えっ!?



相田!おまえ無駄に行動力有りすぎ!



展開はやくない!?


つか、本気で松原ってやつを桜にちかづけるなよ!