桜が彼氏を欲しがってる・・・?
好きなやつとかいんのか?
そいつとつきあうのか?
最悪だ。
俺が兄弟じゃなかったら桜をおれのものに出来るのに。
彼氏が出来でもって俺は何も言えないのか。
何か言ったらこの気持ちがばれてしまう。
そしたらもう一緒に居られなくなる・・・・。
どうしたらいい?
どうしたら桜はずっと俺の隣に居てくれるんだ?
不安と焦りと怒りとどうしようもない気持ちのまま俺は教室に入り席についた。
「川井君」
前の席の澤田がふりかえって俺を呼んだ。
「なに?」
「数学の宿題やった?」
「やったけど?」
「本当!?ちょっと教えてくんない?あたし出席番号的に絶対当てられるんだよね・・・!」
俺の気持ちはそれどころじゃないんだけどなぁ・・・。
「川井くんこの問題なんだけど」
了承もしてないのに聞いてくるし。
まぁいいか。
その方が気も紛れる。
「あー。それは____」
俺は解き方を教えることにした。
何回も聞かれるのはだるいし、丁に説明した。
説明してると廊下から相田と桜の声がしてきた。
声が遠くては何をはなしてるのかはわからない。
「川井君これであってる?」
うるさいなー。
俺は桜の会話がきになるのに!
と、思いつつも仕方なく澤田のノートを確認する。
「2つ目ちげーよ。」
なぜこんなに懇切丁寧に説明したのにまちがえるんだよ。
俺は呆れてつい桜と同じのりでぽかっと澤田を小突てしまった。
澤田の顔が少し赤くなった気がする。
嫌な予感。
面倒になる前にあんまり関わらないようにしよう。
そんなことを考えてると、教室に入ってきた相田が聞き逃せない言葉を発した。
「桜のタイプってどんな人??」
すげーきになる。
「うーん…。さぁ?」
さぁ?
・・・ってことは好きなやつは居ないんだな。
ちょっとだけほっとした。


