「急がなきゃ!!!」





5月の晴れた空。桜もすっかり緑の葉になり、ムシムシとした日が続いていた。


昨日の夜も遅くまで譜面に書き込みをしていたため、寝坊をしてしまったのだ。

いつもは通らない、人通りの少ない道を通って学校へと走る。


「えへへ!こっちは近道なんだよね!ここを通っていけば、ギリギリ間に合う!」


少し余裕だとわかっていたが、足のスピードを弛めようとは思わなかった。