荷物をまとめていると教壇の上に立った京一条が


「あ~、ウサギ。ご両親が早退届を出されたからお前は帰れ。京極は先生の教科書を貸そう」


クラスメイトがざわめく。後ろの席の小毬も


「リリ帰るの?う~ん、何があったか分かんないけど明日ね」


残念そうな声色だ、スクールバックを肩に持ち小毬の頭を軽く撫でてからドアへ向かう。


京極も残念そうな顔をしてこちらを見るまだ瞳は冷たいままだ。


「じゃあね、宇佐美さん。また明日。」


クラスメイトにも聞こえるようにそう言って見せた京極に一瞬眉を寄せたが振り向いて適当な言葉を返した。