「なんで俺のことなんか好きなの?俺お前には冷たいのに」
うう、やっぱりなんとなく感じてはいたけどやっぱりあたしだけに冷たいんかい。
しゃーないか。あたしがこんな性格だしね。
「冷たくされても好きなもんは好きなんだよ。だから早くあたしの事好きになってね」
「…もうちょい大人の色気ってもんが出たら考えてやるけどな」
ボソッと呟いた全君の言葉は、聞こえないふりをした。
あぁ、家までもうちょっと。それがとんでもなく切なくて寂しい。
「全君!ケータイ教えて欲しい…んだけど」
じゃあな、って言われる前に
…せめて連絡先ぐらい知りたい。

