「…あ、それより全君仕事とかないの?もうお昼前だけど大丈夫?」



そう尋ねると、少し思い出したように頭を掻いて、



「あー…、仕事休みだし」



「…あ、そう。」



「眠いからもう少し寝る。お前は帰れ」



大きいあくびをしてからそう言うが早いかまた畳に寝転がって布団を被った。



「店の入り口は閉まってるから厨房入って奥にドアあるからそこ思いっきり叩いたら真幸さん起きてくるから真幸さんの家から帰れよ」



「…へ、詳しいんだ?」



「まぁな。潰れたらたまに置いていかれるんだよ。真幸さんが面倒見るだろってさ」



「……あたしはなんで置いてかれたんだろ?仮にも女の子なのに。もしかしたら全君に襲われちゃうかもしれないのに」



「…誰が襲うかブス」



ひどいよ全君。真顔でそんなこと言わないで。