とりあえず、気持ちよさそうに寝てる全君を起こしに掛かるあたし。



あたしは今日休みで予定もないからいいけど、全君は予定とか仕事とかあったらどうしよう、という気持ちで。



寝てる全君に近付いて肩を揺すって起こした。



「全君、全君!」


「………」


「おーきーて!!」


「…んー…るせ」


「起きないと雪ちゃんがチューしまーす」



絶対寝起きで不機嫌だろって感じの全君の鼻をつついてそう言うと、パチッと目が開いた。


無性に腹が立つのは気のせいか。



「…っ、あー、お前かよっ」



目を開いた後に、あたしの顔を見るなりそう言った全君。



お前かよってなんなの。ひどいなぁ。



「誰と思ったのさ。残念ながら全君の想いびとではありませーん」


そう意地悪を言うと、ビックリしたような顔をした。あれ、カマ掛けただけなのに。まさかのまじで本命がいた?