「また来たの、雪ちゃん」 「はい!奇遇ですね隆(たか)先輩」 全君の隣にいる隆先輩に挨拶してまた全君に目を向ける。 また拗ねたような顔して文句を垂れた。 「なんでお前俺は“君”呼ばわりで隆は先輩が付くわけ?おかしーだろ。馴れ馴れしーんだけど」 「良いじゃん。ね、雪ちゃん」 「もういーわつーか隆酒持ってきて」 「全先輩、って呼びにくいんですもん。しかも先輩って付けたら敬語使わなきゃいけないじゃないですかぁ。ほら、今みたいに」 最初から馴れ馴れしいあたしに全君はいつだって眉を潜める。