「え、ちょっ」
驚いてその手を振り払おうとする。
でも、やっぱり女の力じゃ敵うわけなくて、その手は離れなかった。
いつもはこんなことないのにっ……
この人達、しつこい。
男達はそのままあたしを引っ張って行こうとする。
笑顔だけど、その目は笑っていない。
ヤバい。本気だ。
どうしよう……
助けを求めるように周りを見渡すが、みんな知らないフリ。
動きたくないのに、足が動く。
……怖い。怖いっ!
「や、やめてっ」
「フフーンッ♪」
男達は、あたしの声なんて無視をして歩き続ける。
必死に抵抗するが、意味なかった。
「や、だ……っ」
センセイ……っ!
ギュッと目を瞑って、愛おしい人の名前を思った時。
「おい、やめろよ!」
そんな声と共に、あたしの足を動かしていた力と腕を痛いくらい握っていた力が緩まった。
そのことに驚いたあたしは、瞑っていた目を開く。


