~叶恋side~
……しばらくして、あたしは透と別れ、1人ホームで電車を待っていた。
「……にしても透、本当に天然だなぁ」
最初、池の前で会った時も思ったけど、今日改めて気づいた。
透の天然さを思い出して1人で笑っていると、
「なーにしてるのっ?」
後ろからポンッと肩を掴まれた。
「え?」
驚いて後ろを振り向くと、そこには男の人が二人……。
金髪にピアスを3つ。派手な格好。
うわっ……あたしの苦手なタイプだ。
「な、なんですか?」
「ねえ、こんな時間になにしてるのー?」
「今から帰ろうと……」
「えーっ、その前にお兄さん達と遊ぼうよ」
来た、この展開。
たまにあるんだよなぁ……。
いつも適当にあしらったら何処か行くし、電車来るまで適当に話せばいいかな……
そう思ったあたしは、作り笑いをする。
センセイのおかげなのか、こういうのがすごく上手くなったんだよね。
きっと、これを見破れるのは透だけ。
「ごめんなさい、遅くなると親に心配されちゃうんで」
「連絡しておけば大丈夫だよ~、ね、いいでしょ?」
「でも……」
「ほら、早く行こうよ」
そう言った男達の一人は、あたしの腕をギュッと掴んだ。


