30差の片想い







 ~叶恋side~



 ……しばらくして、あたしは透と別れ、1人ホームで電車を待っていた。



「……にしても透、本当に天然だなぁ」

 最初、池の前で会った時も思ったけど、今日改めて気づいた。


 透の天然さを思い出して1人で笑っていると、

「なーにしてるのっ?」

 後ろからポンッと肩を掴まれた。


「え?」

 驚いて後ろを振り向くと、そこには男の人が二人……。


 金髪にピアスを3つ。派手な格好。

 うわっ……あたしの苦手なタイプだ。



「な、なんですか?」


「ねえ、こんな時間になにしてるのー?」


「今から帰ろうと……」


「えーっ、その前にお兄さん達と遊ぼうよ」



 来た、この展開。

 たまにあるんだよなぁ……。


 いつも適当にあしらったら何処か行くし、電車来るまで適当に話せばいいかな……


 そう思ったあたしは、作り笑いをする。

 センセイのおかげなのか、こういうのがすごく上手くなったんだよね。


 きっと、これを見破れるのは透だけ。



「ごめんなさい、遅くなると親に心配されちゃうんで」


「連絡しておけば大丈夫だよ~、ね、いいでしょ?」


「でも……」


「ほら、早く行こうよ」


 そう言った男達の一人は、あたしの腕をギュッと掴んだ。