だから俺も、叶恋みたいに綺麗には笑えないけど、優しく微笑んで。
「ありがとう」
心の底から思っている言葉を、口にした。
「えっ」
叶恋は驚いたような顔をしながら、顔を赤く染める。
そして、
「と、透がそんな風に笑うの…初めて見た」
と言いながら、ほうきを手にする。
「そ、掃除しよっ！」
すぐに俺に背を向けたけど、きっと、
「ふふっ」
また、嬉しそうに綺麗な笑顔を作ってるんだよな？
「もう掃除、終わっただろ」
「えっ、あ……も、もうちょっと綺麗にするの！」
「ははっ、そっか。頑張れー」
「なぁっ！バカにしてーっ」
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