俺は大きく目を見開く。
「は、な、なんで……?」
俺、バレるようなこと言ったか?
少し考えてみるが……なにも浮かばなかった。
「言ったでしょ、あたしそういうの気づきやすいって。それに、透って分かりやすいんだもん。顔に書いてあるよ?」
叶恋は、俺の顔を指差した。
俺は慌てて顔を触る。
「あとさ、透って女の子嫌いでしょ?好きな人がいるのを知ってる女の子ってあたし以外にいなさそうだしね」
「あっ……」
そうだ。
俺、叶恋以外に女友達いなかった。
なにしてんだ、俺っ!
俺は頭を抱え込んでしゃがんだ。
「透って、天然だよね」
頭上から、叶恋の楽しそうな声が聞こえてくる。
コウタ、バラしちまった……。
ごめん!
なんて、心の中でコウタに謝ってると、
「……透は、優しいんだね」
叶恋がそう声を掛けてきた。
「え、俺が?」
そのセリフに驚いて、俺は顔を上げる。


