「で、その子がどうしたの?」
「ああ……ちょっと酷いことしちゃって」
「酷いこと?」
叶恋が不思議そうに首を傾げる。
「うん……嘘、ついた」
「う、そ……?」
「コウタの好きな奴に、好きな人がいるんだけど……それ知りながら、協力するって言ってさ……」
失恋の痛みも、苦しみも。
痛いほど知ってる俺だから。
コウタにそんな思いしてほしくないのに。
ああ、叶恋引いたかな……?
なんていきなり黙り込んだ叶恋に不安を覚え始めたころ。
「ぷっ、ははっ」
叶恋は楽しそうに笑い出した。
「え、なんだよ」
「いや、だって……ははっ」
叶恋の予想外の行動に困惑していると、叶恋は一通り笑い終え、目に溜まった涙を拭きながら、
「嘘っていうからなんなのかなって思ったら、そんな、ことっ……」
「え、ちょっと俺にとっては大きい話……」
話している間に思い出したようで、笑いながら言う叶恋。
「いや、面白くて。ごめっ、はは……てか、そのコウタくんが好きなの、あたし、でしょ……?」
そしてその流れで、爆弾を投下した。


