30差の片想い










 そうして、今。


 一通り掃除を終えた俺らは、池の前で休憩している。




「知ってる?ハート型の雲を見つけたら写真を撮って待ち受けにすると、恋が叶うんだって!」


 興奮気味にそう言いながら写真を撮る叶恋。




「へぇ……」


「透も撮ったら!?」


「いや、いい」



 そういうのって男がやると気持ち悪いしな。




「ふぅーん……」


 叶恋はそんな俺をじーっと見つめる。



「……んだよ」


「いや、なんかあったのかなーって」


「えっ……」



 叶恋の言葉に、俺は驚く。



「いやぁ、あたしって昔からそういうの気づきやすいんだよねー」


 なんて頭を掻きながら照れ臭そうに笑う叶恋。


 だけどすぐに真剣な顔になって、

「たまには、透の気持ちも聞きたいな。聞いてもらってばっかだし」