30差の片想い








 協力なんて、出来るわけない。


 ……なにやってるんだろう、俺。



 コウタの嬉しそうな顔を見ながら、ひとつ、ため息を吐いた。







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「見てっ、雲がハート型だよ!」


 楽しそうに笑う彼女を、俺は呆れ気味に見つめた。







 放課後。

 俺がいつものように掃除をしようと池に行くと、何故か叶恋が仁王立ちをしていたんだ。



『な、なにしてんだよ』


『いやぁ、いつもお世話になってるからね。お手伝いしようかと』


 そう言ってニコッと笑うと、叶恋は俺からほうきを奪った。




『いや、いいって』


『いいじゃん、ちょっとくらい』



 叶恋は俺の話なんて聞かずに掃除を始めた。


『はぁ……』


 諦めた俺も、傍に置いてあったほうきを持ち、掃除を始めた・・・ー--