「ちょ、それ酷い!」
コウタは大袈裟にショックを気取るが、そんなこと知らない。
「じゃあ逆に聞くけどよ、この俺がお前のそれだけのヒントで誰か分かったら嫌だろ?」
俺はそうコウタに聞いた。
「ああ、もしかしたらお前も好きなのかなって思う」
「だろ?」
コウタを見事に黙らせた俺は、少し満足した。
「……で?その三組の可愛い子?って誰なんだよ」
何分か経ってから、俺は呟くように声に出した。
コウタもすっかり落ち着いていたから、俺をチラッと見た後に、軽く、
「ああ……櫻井叶恋って子」
「へぇー……」
櫻井叶恋……ね。
………え?
そ、それって……
「ええ!?」


