30差の片想い






「ちょ、それ酷い!」


 コウタは大袈裟にショックを気取るが、そんなこと知らない。



「じゃあ逆に聞くけどよ、この俺がお前のそれだけのヒントで誰か分かったら嫌だろ?」


 俺はそうコウタに聞いた。



「ああ、もしかしたらお前も好きなのかなって思う」


「だろ?」



 コウタを見事に黙らせた俺は、少し満足した。



「……で?その三組の可愛い子?って誰なんだよ」


 何分か経ってから、俺は呟くように声に出した。


 コウタもすっかり落ち着いていたから、俺をチラッと見た後に、軽く、


「ああ……櫻井叶恋って子」


「へぇー……」



 櫻井叶恋……ね。

















 ………え?



 そ、それって……

「ええ!?」