だけど、コウタから返って来たのは、まさかのセリフ。
俺は、心底呆れた。
「んだよ、めっちゃ深刻そうだったから心配したのに……それだけかよ」
「それだけって酷いなぁ!俺からしたら大きいことなんだよ!」
コウタは、すっかりいつもの元気さを取り戻していた。
「何処がだよ、どうせ惚気るつもりなんだろ?また」
俺は再び寝転がった。
今度は、コウタも青空も視界に入れないように横を向く。
いっつもそうだ。
コウタは告白されたり彼女が出来たり恋したりすると、すぐに俺に惚気を聞かせる。
正直、恋愛の話なんて興味ない俺には、面倒臭いことこの上ない。
最近彼女と別れたみたいだからそんな話は聞かなかったが、またあの日々が始まるのかと思うと嫌気が差してくる。
「えぇー、聞きたい?」
コウタは気持ち悪いくらいいつも通りのハイテンションで俺の背中を揺する。
なんだよ、さっきまであんなにテンション落ちてたくせに。
テンションの低いコウタも気持ち悪いが、今のコウタも気持ち悪いな。
つまり、コウタは気持ち悪いんだな。
てか、俺の心配返せよ。
なんて、コウタの話を聞いてなかった俺の言うことではないかもしれないけれど。
俺は、半分イラつきながら答える。
「いい」
コウタは負けじと、
「ええー?またまたー、本当は聞きたいくせにー」


