あたしも透も同時に駆け寄り合い、あたしは透に抱きついた。
透はあたしをぎゅっと優しく、けれど力強く抱きしめてくれた。
「透、酷いこと言ってごめんねっ……!」
「俺も、ごめんな……しかも叶恋、仲直りしようと来てくれてたのに……」
「ううんっ、透を怒らせたあたしが悪いんだもん」
「いや、あの時にはもう怒ってなかったから……」
「えっ、怒ってなかったの!?」
あたしはそう叫んで、透から離れる。
でも、確かにあの時透怒ってたよね……?
「まあ、泉田と色々あって。俺邪魔かなーっと思ったんだ。だからわざと……」
「センセイ?邪魔って?っていうかわざとだったんだ」
「あー、うん……じゃあ叶恋と喧嘩してから俺に起こったこと、話すわ」
透がそう言った時、「キーンコーンカーンコーン」とタイミング悪くチャイム音が鳴った。
これは、昼休み終了のチャイムでもあり、五時間目の開始5分前のチャイムでもある。
あたし達は一瞬固まった後、顔を見合わせて、
「じゃあ、この続きは放課後、池でしよっか」
「そうだな」
笑い合った。
まるで、夢のようだ。
好きな人と想い合えることがこんなにも幸せなことだって、知らなかったよ。
そう感じられるのはきっと、センセイのことが好きだったあの日々のおかげ。
辛くて苦しくて泣いてばかりだったけれど、そのおかげで今、幸せだって心の底から思えるんだ。


