「じゃ、お前からのお詫びに悩み過ぎて食べれていない透のお母さん手作り弁当を貰うな。それで許してやるっ」
コウタくんは透の返事も聞かず透が手に持っていたお弁当を奪うと、手を振りながら去って行った……。
あっという間に、中庭はあたしと透だけになる。
最初はコウタくんが去って行った方を見つめていたけど、自然と透の方に視線を移していた。
透もあたしを見つめていて、またふたりで見つめ合う形に。
でも、あたし達の間には三メートルぐらいの幅が空いている。
まるで、これは心の幅のようだ。
前までは、ぴったり隣にくっ付いていたのに。
そう思うと、少し悲しかった。
……それにしても。
コウタくんが言っていたことは、本当なのかな?
透が、あたしに告白させないためにここに来たってこと。
それって、やっぱりまたお節介?
あたしがセンセイのことが好きだから、変に傷つかないために?
それとも、他に何か別の理由があるの?
それは……なに?
『それが恋なんだよ☆』
コウタくんが言っていた言葉が、脳裏に過ぎった。
それは間違いなく、透に向けた言葉だった。
ということは、その言葉の前に言っていた〝あたしのことを想っている〟って言葉も、透に向けてだよね?
透、あたしのこと想ってくれていたの?


