30差の片想い






「……っ」


「俺が櫻井さんに告るのを止めるため……だろ?」


「え………?」

 あたしはつい、驚いてしまって二人を見つめる。


 透はコウタくんと目を合わせず、バツが悪そうな顔をしていた。




「まぁ、どうせ俺フラれかけてたし?いいんだけどさっ!ムード台無し~」


 コウタくんは諦めた様にそう言うと、くるりと透に背を向けた。


 そして、頭の後ろで手を組みながら、

「失恋したときぐらい俺に世話焼かせんなってーの」

 と言いながらあたしを見て、「なっ?」なんて笑う。


 あたしは意味が分からなくて、上手く反応出来なかった。



「じゃあ、俺帰るわ。用事済んだし、後は二人でごゆっくり~」

 コウタくんはそう言うと、そのまま歩き出す。


 だけど、すぐ止まって、

「あ、そうだ、透。櫻井さんのことを想う気持ちも、今お前がここに来た意味も、お前分かってねえみたいだから教えてやるよ」


 透はコウタくんを見る。


 コウタくんは振り向いて透を見つめると、ニコッと笑って、

「それが恋なんだよっ☆悩める子羊ちゃんっ♪」

 とウインクをした。



 ……はっ?


 あたしは訳が分からなくて何度も瞬きをする。

 透も訳が分からないという感じでコウタくんを見つめていた。


 なんか、いいこと言ってるみたいだけど……全然そんな雰囲気がしない。