30差の片想い







 透はじっと、あたしの瞳を捉えて離さない。

 あたしも、透を見つめていた。


 今の状況なんか気にせずに。






 だけど、

「プッ」

 という笑い声に、ふと我に返った。


 透から目線を外し、あたしはコウタくんの方を見る。

 コウタくんは口元を手で覆いながらも、肩を震わせ声を押し殺しながら笑っていた。


 透もいつの間にかコウタくんを見つめていた。



「……ぷっ、あはははははっ」

 コウタくんは耐え切れなくなったのか、ついに大爆笑。

 はっきり言って、あたしにはどこが可笑しいのか分からない。



「ははっ……あー笑える!マジで、二人とも面白いわーっ!」


 コウタくんはそう言うと、笑うのを止めた。



「……透、必死過ぎ!ってか、なんで二人とも見つめ合ってたのー?」

 コウタくんはニヤつきながら、あたし達を交互に見つめた。

 あたしは恥ずかしくなって、下を向く。


 コウタくんはそれから透に近づき、

「なんでここに来たんだよ?」

 と、言った。



「なんでって……」

 透も困っているみたいだ。


 そんなあたし達をよそに、コウタくんは話し続ける。


「えっ!理由もないのに来たのかよ。……って、そんなわけないよな?」