30差の片想い







 どれだけ否定しても、否定しきれなかった。

 恋って、簡単に否定できるものじゃないから。




 あたしは、透のことが好き。




 やっと気付いた大切な気持ちは、もう遅かった。


 でも、それでも。

 だからといって、捨てることなんてしたくないから。


 やっと気付いた、大切な恋心だから。






 あたしは顔を上げ、コウタくんを真っ直ぐ見つめた。



「ごめん。あたし……っ」


「待てよ!!」


 だけど言葉は、途中で遮られてしまった。


 コウタくんでも、もちろんあたしでもない声にあたし達は驚いて、声のした方を見る。




「っ!……と、おる?」


 そこに見えた人物に、あたしはもっと驚いて目を見開いた。


 透、だ。

 どうしてここにいるのかは分からないけど、これは、本物の透だ。


 間違いなく、これは現実だ。

 そう、信じたい。