どれだけ否定しても、否定しきれなかった。
恋って、簡単に否定できるものじゃないから。
あたしは、透のことが好き。
やっと気付いた大切な気持ちは、もう遅かった。
でも、それでも。
だからといって、捨てることなんてしたくないから。
やっと気付いた、大切な恋心だから。
あたしは顔を上げ、コウタくんを真っ直ぐ見つめた。
「ごめん。あたし……っ」
「待てよ!!」
だけど言葉は、途中で遮られてしまった。
コウタくんでも、もちろんあたしでもない声にあたし達は驚いて、声のした方を見る。
「っ!……と、おる?」
そこに見えた人物に、あたしはもっと驚いて目を見開いた。
透、だ。
どうしてここにいるのかは分からないけど、これは、本物の透だ。
間違いなく、これは現実だ。
そう、信じたい。


