俺がそう言った瞬間、いきなり黄色い声が浴びせられる。
「キャーッ、速水くんだ!」
「何しに来たんだろうー♡」
俺はその甲高い声に、眉を顰めた。
うるさっ……と思いながら、もう一度。
「誰でもいいから答えて。叶恋どこ?」
俺がそう言うと、今度はその黄色い声がピタリと止む。
すると、一人の女が俺に近づいてきて、
「叶恋に何の用?」
と聞いてきた。
「……別に。どこ行ったか知らない?」
とてもじゃないけど、親友が叶恋に告るって言ったから気になって追いかけています、なんて言えないし。
だから、俺はそれで通した。
「ふぅーん……叶恋なら、コウタくんって人に呼ばれて中庭に行ったけど?あ、でもきっと告白だから行かないほうが……」
「ありがとう!じゃあっ!」
俺は女の話を最後まで聞かずに、再び走って中庭へと向かった。
後ろで、
「え、ちょっ!」
なんて聞こえたけど、もうどうでも良かった。
なんでコウタを追いかけているのか、よく分からない。
コウタに告白させないためか?
だとしたら、どうして?


