30差の片想い







 そっと、目を閉じる。




 今日はいつもに増していい天気だ。

 涼しい風も、暖かい日の光も最高。




 ……なのに、どうしてだ?


 俺の瞼の裏に、叶恋の姿が映っているのは。



『……じゃあ俺、櫻井さんに告ろっかなぁ』

 そして頭の中は、コウタのこの言葉でいっぱいだ。



 いや、俺には関係ない。


 コウタが叶恋にフラれようと。

 叶恋と泉田が付き合おうと。


 ……俺には、関係ないじゃないか。








「……チッ、ああもう!」

 俺はガバッと起き上がった。



 どれだけ嘘の言葉で塗り固めたって。

 知らないフリを決め込んだって。


 どうしても、気になってしまうんだ。


 いてもたってもいられなくなって、俺は弁当を持つと屋上から走り出て行った……。







 どこに行くのか?なんて、自分でも分からない。

 でも、足は止まらない。


 ずっと、走り続けた。