そっと、目を閉じる。
今日はいつもに増していい天気だ。
涼しい風も、暖かい日の光も最高。
……なのに、どうしてだ?
俺の瞼の裏に、叶恋の姿が映っているのは。
『……じゃあ俺、櫻井さんに告ろっかなぁ』
そして頭の中は、コウタのこの言葉でいっぱいだ。
いや、俺には関係ない。
コウタが叶恋にフラれようと。
叶恋と泉田が付き合おうと。
……俺には、関係ないじゃないか。
「……チッ、ああもう!」
俺はガバッと起き上がった。
どれだけ嘘の言葉で塗り固めたって。
知らないフリを決め込んだって。
どうしても、気になってしまうんだ。
いてもたってもいられなくなって、俺は弁当を持つと屋上から走り出て行った……。
どこに行くのか?なんて、自分でも分からない。
でも、足は止まらない。
ずっと、走り続けた。


