俺は、どうしたい?
叶恋への気持ちは?本当の想いは?
叶恋じゃない、俺だ。
俺はきっと、気付いていないんだ。
例え、現実は変わらなくても。
遅くなる前に、気付かないと。
俺の中で、決着をつけないと。
俺は、じっと自分の弁当を見つめた。
母さんが作ったご飯は、大嫌いだったな。
母さんが作るご飯には、いつも大きな愛が詰まっていたから。
家族愛、なんていう要らない愛が。
すっげえ美味くて、大好きだったから。
だから、胸が余計痛くなって、大嫌いだった。
でも今は、ただの〝お袋の味〟だ。
こうなったのは、何のせいだ?何のおかげだ?
俺がこんなにも苦しんで、でも終わらせられなかった恋を終わらせたのは、本当に神様なのか?
本当は、誰のおかげ?
誰が、俺を〝未来〟に連れて行ってくれたんだ?
過去にしがみついてばかりだった俺を、優しく見守ってくれたのは誰だ?
俺は、誰に言いたいんだろう。
この恋の終わりを。
終わったよって、誰に一番伝えたいんだろう。
俺を変えてくれた、誰よりも大切な人は……一体、誰なんだろう。
「ん?食べねえの、透」


