次の日、俺はいつも通り学校に向かって、いつも通り授業を受けて、いつも通り昼休みのチャイムを聞いた。


 現在、弁当を持っていつも通りコウタと二人で屋上にやってきた所。




「…っしゃー!やっと、もりもりハンバーグ目玉焼きキャベツトマトバーガーゲットしたぜぃ♪」


 なんて、この学校の売店名物の普通のハンバーガーを手に喜んでいるコウタとは正反対に、ボケーっとしながら俺は母さんが作ってくれた弁当のふたを開けた。



 ハンバーガーの具を長ったらしく文字にして、何故か美味そうに見せているハンバーガーは、普通なのに意外と美味い。

 だから、大人気過ぎていつもすぐ完売するんだ。


 コウタはこのハンバーガーのファンらしく、毎日毎日売店に通っている。

 しかし、もう一か月、コウタはハンバーガーをゲット出来ていない。


 それほど大人気だということ。

 だから、良かったなって思う。


 まあ、本当のところは、コウタの愚痴を昼休み中、永遠と聞かされるのが嫌なだけなんだが。




「ぅおー、うまいうまい!」


 なんて言いながら、コウタはハンバーガーに齧り付く。

 俺はそんなコウタを見ながら、またボーっと意識を移した。







 いつも通りだけど、今日はいつもと気分が違う。




 まず、母さんのことが好きじゃないと気付いたってのが原因の一つ。


 朝起きた時、すごい気持ちが軽かった。

 もちろん、母さんと朝食を摂っている時も。