不思議と、悲しくはなかった。
っていうかむしろ、清々しいって言うかすっきりしたって言うか。
何年もの間、俺の全てだったこの恋が。
何年もの間、俺を苦しめていたこの恋が。
今、今。
誰も傷つけないで、一番幸せな形で終わった。
「……でもなんか、まだ終わってない気がする…」
それは、この恋に対してじゃなくて。
他に、俺の心に穴を空けている……何か。
きっとそれは、一番大切なもののはず。
その時、ふいに父さんの言葉を思い出した。
『手遅れになる前に気付けよ』
そしてそれと同時に、
何故か、
叶恋の顔が浮かんだんだ…………


