30差の片想い







 不思議と、悲しくはなかった。

 っていうかむしろ、清々しいって言うかすっきりしたって言うか。




 何年もの間、俺の全てだったこの恋が。

 何年もの間、俺を苦しめていたこの恋が。


 今、今。

 誰も傷つけないで、一番幸せな形で終わった。







「……でもなんか、まだ終わってない気がする…」


 それは、この恋に対してじゃなくて。

 他に、俺の心に穴を空けている……何か。


 きっとそれは、一番大切なもののはず。




 その時、ふいに父さんの言葉を思い出した。

『手遅れになる前に気付けよ』



 そしてそれと同時に、


 何故か、




 叶恋の顔が浮かんだんだ…………