30差の片想い







 俺、なんでおめでとうなんて言えたんだ?



「母さんのこと、もう好きじゃないのかよ……」

 そう呟いた瞬間、俺は気づいた。





 母さんのこと、もう好きじゃない……。




 いや、あり得ない。

 だってもう、何年も片想いしてるんだぜ?


 だけどどうやら、恋に時間は関係ないようだ。


 何故かその言葉がしっくり来たんだ。

 心の空いた穴に、まるでパズルがはまるかのようにピッタリと入ったんだ。





「………そっか」


 だから、二人がイチャついていても何とも思わなかったんだ。

 何にも、感じなかったんだ………。



「そりゃあ、おめでとうって言えるよな」

 ははっと笑った。


 なあ、叶恋。

 俺の不毛な恋、終わったよ。


 なんか、終わってたみたいだ。



 神様に願っていた。

 〝この恋を終わらせてほしい〟って。

 今、叶ったみたいだよ。