30差の片想い






 今まで、決して言わなかった言葉だ。

 いや、言いたくなかった言葉か?それとも、言えなかった言葉だろうか?


 どれにせよ、一度も両親に言ったことがなかった言葉だ。


 だって、俺は母さんが好きで。

 二人を祝福するだなんて、到底できなかった。


 なのに、なんでさらっと言ってんの?俺。

 そして今、なんで傷ついていないんだ?



 俺はグラスをもう一度棚に戻してジュースを冷蔵庫に入れ直すと、さっさと自分の部屋に行こうと、イチャつく二人の前を横切る。



「あ、透。ご飯になったら呼ぶからねー」


「あ、ああ……」


 俺はそう軽く返事をすると、足早にリビングから出て行った……。





















「ハア、ハア……」


 部屋に入るとすぐ閉めたドアに凭れかかった。

 別に走ったわけじゃないのに、何故か息が上がっている。



「どう、して……」