今まで、決して言わなかった言葉だ。
いや、言いたくなかった言葉か?それとも、言えなかった言葉だろうか?
どれにせよ、一度も両親に言ったことがなかった言葉だ。
だって、俺は母さんが好きで。
二人を祝福するだなんて、到底できなかった。
なのに、なんでさらっと言ってんの?俺。
そして今、なんで傷ついていないんだ?
俺はグラスをもう一度棚に戻してジュースを冷蔵庫に入れ直すと、さっさと自分の部屋に行こうと、イチャつく二人の前を横切る。
「あ、透。ご飯になったら呼ぶからねー」
「あ、ああ……」
俺はそう軽く返事をすると、足早にリビングから出て行った……。
「ハア、ハア……」
部屋に入るとすぐ閉めたドアに凭れかかった。
別に走ったわけじゃないのに、何故か息が上がっている。
「どう、して……」


