30差の片想い








 だから、自分でも驚いた。


 あたし、センセイのこと好きじゃないの?

 もう、この恋は終わってしまったの?


 そんなわけ、ない。

 そんなわけ………。



「……っ」


 でも、何故か否定することが出来なかった。


 あれ?

 あたし、どうしちゃったんだろう。



 叶わないって知ってたけれど、センセイを好きな気持ちには絶対的な自信があった。

 でも今は、ない。


 自分でも、本当にセンセイのことが好きなのか疑問に思えてくるんだ。



「嘘……だ」


 少しずつ理解していく頭を、必死に押さえた。


 でも、あたしは理解していく。

 自分の本当の気持ちに。



「あ、たし……」


 センセイのこと、もう好きじゃない……。








 終わったんだ、この不毛な恋は。