30差の片想い









「………わっ!」


 そう大声を出して飛び起きたあたし。

 時刻は……朝の7時。


「あっ………」


 嘘……。

 そう思った。






 透があたしのことを好きかってセンセイに聞いたことを知った日から、もうずっとそのことについて考えていた。

 寝不足になるくらい、夜遅くまで、毎日。


 そのせいか今日、寝坊してしまった。

 この時刻だと、いつもの電車はもう行っているかもしれない……。

 行っていなくても、この時刻じゃ間に合わない。




「………初めてだ」

 センセイを好きになってから、一度も寝坊したことはなかった。

 センセイと少しでも一緒にいたくて、どんなに眠くても起きていたのに。


 こんなこと、今までなかったのに。




「……可笑しいよ」


 透がいなくなったってだけで、こんなにも全てが崩れるなんて。


 センセイに対する気持ちも、なくなってしまうだなんて。


 …………ん?


 センセイへの気持ちが、なくなった?

 無意識だった。そう思ったのは。