邪魔者は消えるのがお決まりだ。
でももう喧嘩別れしているし……仲直りは、出来ないか。
池の掃除をしようと池に向かう。
もう叶恋と元の関係に戻ることは諦めがついているけど、それでもあの日々は最高に楽しかった。
だって俺が、女と喋って笑ってたんだから。
あんなに自分のこと話したの、初めてだった。
あんなに人の弱さに触れたの、初めてだった。
あんなに誰かを想ったの、初めてだった。
初めて、優しくなれた気がするんだ。
初めて、人に想われた気がするんだ。
叶恋と出会って、俺、少しは変われたかな?
そんなことを思っていたら、あっという間に池に着いた。
でももうそこには、誰もいない……。
「透っ」
なのに、どうして君は。
俺の名前を呼ぶの?


