つい、叶恋と俺を重ね合わせてしまって。
叶恋の気持ちを、辛いって言いながら泣いている姿を知っているから。
だから、呑気な泉田がムカつくんだ。
どうしようもなく、イライラすんだよ。
……叶恋は今も、泣いてんのかな。
俺も行ってないから知らないけど、あの日以来池に来てないみたいだけど、大丈夫なのかな。
辛くないのかな。
俺が、あの場所を取ったせいだよな……。
またそうやって、俺は後悔している。
「……いや、本題に入ります。はい」
泉田は俺が怒っていることに気付いたのか、そう姿勢を正して言った。
そして、今度は真面目な顔で、
「櫻井の、ことなんだが」
と言った。
俺にそんなことを話す理由は分からないが、俺のクラスの担当教師ではない泉田と俺には何も接点がないから、なんとなく叶恋のことだと思っていた。
「……はい」
「……櫻井が今朝、泣いてた」
「えっ………」
でも、驚いた。
叶恋が、泣いていた?
それって、
「もしお前が櫻井のこと……」
「ちょ、待って。それって、泉田先生の前で?」
そう、それが疑問。


