30差の片想い






 でも、違ったんだね。


 透はそんなあたしを、小馬鹿にしてたんだ。

 きっと、心の中では「なんだこいつ」なんて思ってたんだ。




「なに言って……」


「あたしだって!強くなりたいんだよっ……でも、無理なんだもん。辛いんだもん」


「おまっ……なにか勘違いしてるんじゃ」


「何処が勘違いっ!?透が言ったんじゃん!」


「いや、だから……」


「だったらあたしも言わせてもらうけど!透もお母さんに十分愛されてるじゃん!!」


「っ!」



 気づけば立ち上がっていた。

 気づけば透にそう言っていた。


 透の表情も、気づけば歪んでいた。



「ずるいよっ!例えそれが家族愛だとしても、透はお母さんの一番じゃない!あたしはっ……あたしは、ただの生徒なんだよ?何も気にせず平気で彼氏いるの?なんて聞けるくらいの存在なんだよ!」


「……んだよ、それ。それとこれは違うだろ」


「一緒だよ!透は幸せだよっ!あたしよりもずぅーっと!!」


「どっこも幸せじゃねえよ!!」


 透も勢いよく立ち上がって声を荒げた。


 そんな姿を見たの、初めてかもしれない。

 でもそんなの、気に出来なかった。


「お前には分かんねえだろっ……!大事にされるから苦しい気持ちが」


「分かんないよ。あたし、愛されてないもんっ!」


「だーかーら、俺もだって!」