30差の片想い






 透はふぅ……と小さく息を吐いた後、あたしの隣にしゃがみこむ。

「………ぐすっ」


「……また、センセイ?」


「……うん…なんかね、あたしにか、れしいるの?と、か聞いて、きたの……」


「彼氏?なんで、また」


「さあ?でも……とっても悲しか、った」


「……そっか。」


「だから、つい……逃げて、きちゃったぁ」


 へへっと乾いた笑い声を出した。


 でも透は、なにも反応しない。

 きっと、作り笑いをしたって透には効果がないんだろう。


 でもそれが、ちょっと嬉しかったり。




「……なんか、いいな」


「………へっ?」


 でも急に透が発した言葉に驚いて、涙ぐしょぐしょの顔で透を見た。



 いい、な?

 それって、あたしのこと?

 あたしが泣いてるのが、いいなってこと?


 いつもの透はあたしがいくら泣いても、そんなこと一回も言って来なかった。

 だからこそ、言葉の意味がよく分からない。


 なにか意味があるんだよね?

 きっと、そうだ。


 嫌な思いが広がっていく心を必死に押さえて、透をじっと見つめた。


 でもそんな気持ちを知らない透は、少し悲しそうな表情をしながら、

「そんな風に泣けるって羨ましい」

 なんて言う。