透はふぅ……と小さく息を吐いた後、あたしの隣にしゃがみこむ。
「………ぐすっ」
「……また、センセイ?」
「……うん…なんかね、あたしにか、れしいるの?と、か聞いて、きたの……」
「彼氏?なんで、また」
「さあ?でも……とっても悲しか、った」
「……そっか。」
「だから、つい……逃げて、きちゃったぁ」
へへっと乾いた笑い声を出した。
でも透は、なにも反応しない。
きっと、作り笑いをしたって透には効果がないんだろう。
でもそれが、ちょっと嬉しかったり。
「……なんか、いいな」
「………へっ?」
でも急に透が発した言葉に驚いて、涙ぐしょぐしょの顔で透を見た。
いい、な?
それって、あたしのこと?
あたしが泣いてるのが、いいなってこと?
いつもの透はあたしがいくら泣いても、そんなこと一回も言って来なかった。
だからこそ、言葉の意味がよく分からない。
なにか意味があるんだよね?
きっと、そうだ。
嫌な思いが広がっていく心を必死に押さえて、透をじっと見つめた。
でもそんな気持ちを知らない透は、少し悲しそうな表情をしながら、
「そんな風に泣けるって羨ましい」
なんて言う。


