センセイに恋して、辛いことが沢山あった。
だから、強くなったはずだ。
こんな小さなことで、傷つくなんて。
あたしもう、センセイを好きでいるの、嫌だよ……。
「ご、めんなさい。ただ………ううん、なんでもない、です」
それだけ言うとあたしは、顔を上げて無理矢理作った笑顔をセンセイに見せる。
「さくら、い……」
だけどすぐに背を向け、走り出した。
もちろん、行き先はあの池。
どうしても、学校まで涙無しに行ける自信がなかったんだ……。
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「……叶恋?」
いつもより早めに池に行って丸まっていると、頭上からそんな驚いたような声が掛かってきた。
毎日ここに来て泣いているのを知っているからか、毎日透はあたしがここに来る頃にはもう来ている。
でもきっと、今日はあたしが早く来たから驚いたんだろう。
透が来る大分前に来た気がする。


