30差の片想い





 センセイに恋して、辛いことが沢山あった。


 だから、強くなったはずだ。

 こんな小さなことで、傷つくなんて。


 あたしもう、センセイを好きでいるの、嫌だよ……。




「ご、めんなさい。ただ………ううん、なんでもない、です」


 それだけ言うとあたしは、顔を上げて無理矢理作った笑顔をセンセイに見せる。



「さくら、い……」

 だけどすぐに背を向け、走り出した。

 もちろん、行き先はあの池。


 どうしても、学校まで涙無しに行ける自信がなかったんだ……。






















------------------



「……叶恋?」


 いつもより早めに池に行って丸まっていると、頭上からそんな驚いたような声が掛かってきた。


 毎日ここに来て泣いているのを知っているからか、毎日透はあたしがここに来る頃にはもう来ている。

 でもきっと、今日はあたしが早く来たから驚いたんだろう。


 透が来る大分前に来た気がする。